メタバース展示会とは?メリットデメリット、開催方法、費用をご紹介
デジタル化が進む中、メタバース展示会の台頭で展示会業界も大きく変わろうとしています。この記事では、オンラインからメタバース展示会への進化を解説しメタバース展示会の魅力や、実際に開催するための方法についてもご紹介。展示会がどのように進化しているのか学びましょう。
目次[非表示]
- 1.展示会にもDX化が求められている
- 2.メタバース展示会とは
- 3.メタバース展示会のメリット
- 3.1.多くの来場が見込める
- 3.2.話題性のある体験を提供
- 3.3.費用対効果と環境配慮
- 4.メタバース展示会のデメリット
- 4.1.専門的な知見や技術が必要
- 4.2.ノンバーバルの変化を把握しづらい
- 4.3.通信環境の不安
- 5.開催方法と費用
- 5.1.独自開発する
- 5.2.プラットフォームを活用する
- 5.3.どっちの開催方法を選ぶべき?
- 6.展示会の未来
展示会にもDX化が求められている
展示会業界は、コロナ過を経て展示会の在り方が大きく変わりました。オンライン上で開催される展示会「オンライン展示会」という考え方が一気に広まりました。この変化は、ただ単に「リアルからデジタルへの移行」というだけではなく、リアル展示会とオンライン展示会の要素が組み合わさった「ハイブリッド展示会」での開催が最近の主流となっています。
従来のリアルな会場で開催される「リアル展示会」といえば、豪華で目を引くブースが特徴的でしたが、最近では、そうした外見だけの華やかさよりも、どれだけ効果的に予算を使うかが重要視されています。
少ない投資で大きな利益を得たいという企業の要望に沿うために「コスパに優れた展示会」を模索する必要があり、オンライン展示会が再注目されてきています。昨今では、メタバース空間上で展示会を開催する「メタバース展示会」も広まってきており、今後の展示会の在り方を大きく変わる可能性があります。
メタバース展示会とは
メタバース展示会とは、仮想空間内で行われる展示会です。参加者はアバターを通じて仮想空間で活動します。現実世界の展示会同様に、出展ブースに訪れ、情報収集をおこなったりたの参加者や出展者と交流を楽しむことができます。メタバース展示会は、インタラクティブな体験とリアルタイムでの相互コミュニケーションにより、リアル展示会さながらの臨場感が体験できる展示会形式です。
メタバース展示会とオンライン展示会の違い
メタバース展示会は没入型3D環境で開催され、オンライン展示会は主に2Dプラットフォームやウェブページ上で行われます。
メタバース展示会のメリット
メタバース展示会は、臨場感や特別感を味わうことができる展示会形式として、今後多くの企業が取り入れていくでしょう。そんなメタバース展示会のメリットをご紹介します。
多くの来場が見込める
メタバース展示会は、通信環境があれば世界中どこからでもアクセス可能という地理的な制約がなくなります。それに加え、天候にも左右されないため、リアル展示会よりも来場のハードルが大きく下がることが期待できます。これまでアプローチできなかった国際市場や新しいジャンルの市場へのアプローチが容易になります。
話題性のある体験を提供
メタバースが世に出て数年経ちますが、メタバースを使ったイベントや企画は昨今でも高い話題性を持っています。また展示会市場としても、DX化が進みオンライン展示会やメタバース展示会と言った展示方法は今後も多く開催されるでしょう。
現実世界では体験できない仮想空間での商談やコミュニケーションといったインタラクティブな体験は、顧客満足度を高め、記憶に残る展示会を提供します。
費用対効果と環境配慮
メタバース展示会は、物理的な会場手配やブース造作のための資材の必要がないため、組み立てや運搬に関わる費用と労力を大幅に削減できます。さらに、会場施工や、人流や移動に伴う環境への影響も軽減されます。
メタバース展示会のデメリット
続いて、メタバース展示会のデメリットについて紹介します。メリットとデメリットを踏まえ自社に合った開催方法を検討しましょう。
専門的な知見や技術が必要
メタバース展示会を開催する仮想空間の設計や開発には専門的な技術が必要となるため、メタバースへのリテラシーを高める必要があります。社内にノウハウがない場合はシステム会社にメタバース展示会の開発を依頼したり、講義に参加しメタバースへの理解を深める必要があります。
ノンバーバルの変化を把握しづらい
現在のメタバースの技術では、相手の表情の変化やその場の空気感などが伝わらないことをしっかり理解しておく必要があります。メタバース空間では、自分の分身としてアバターを操作しコミュニケーションを行うため、相手の声のトーンやリアクションなどをしっかりとくみ取ることが大切です。
通信環境の不安
通信が不安定な環境でメタバース空間にアクセルすると、画面が固まってしまったり、音声が途切れてしまうなど、円滑なコミュニケーションの妨げになってしまいます。さらに開場と当時に一気に多くのアクセスがある場合、回線不調を起こしてしまう場合も考えられます。
メタバース空間での展示会を開催する場合は、主催者はしっかりとインフラ周りのシミュレーションし、来場者も安定したインターネット環境のもと会場にアクセスします。
開催方法と費用
これまでのセクションでは、メタバース展示会について、メリットデメリットについて記載してきましたが、実際、メタバース展示会を開催する方法を2パターンご紹介します。
- 独自開発する
- プラットフォームを利用する
独自開発する
まず、メタバース空間を一から構築する方法です。独自開発する場合、自由度が高く、独自のブランドイメージを反映した展示空間を作り上げることができます。しかし、独自開発には膨大な時間とコスト等のリソースが必要です。
メタバース空間を構築するには、3Dモデリング、プログラミング、デザインなどの専門知識が必要となり、これらのリソースを社内に持っていない場合は、システム会社等に外注する必要があります。簡素なメタバース空間の構築でも、数千万円は想定しておいた方が良いでしょう。
プラットフォームを活用する
もう一つの方法は、既存のメタバース展示会プラットフォームを利用することです。この方法は、特にメタバースに関する専門知識がない企業におすすめ。多くのプラットフォームでは、テンプレートや簡単なカスタマイズオプションを提供しているため、比較的簡単に展示会を開催することができます。
また、プラットフォームを利用することで、技術面での心配を減らし、展示会の企画や運営に集中することができます。
どっちの開催方法を選ぶべき?
では、どちらの方法を選ぶべきでしょうか。大きくポイントは2点です。
- 時間はあるか
- 予算はあるか
独自で開発したメタバース空間で展示会を開催するには、多くの時間と予算、労力がかかります。メタバース展示会として、リリースできるクオリティに仕上げるにはどんなに最短でも1年以上、数千万円以上の予算が必要となるでしょう。
ほとんどの企業は、独自開発ではなくプラットフォーム活用が一番現実的です。
しかし、企業ブランドのためや完全なオリジナリティを求める場合には、独自開発を検討する必要があります。メタバース展示会を開催する目的をしっかり定めたうえで、独自開発なのか、プラットフォーム活用なのか、を検討していきましょう。
展示会の未来
展示会業界はデジタル化の波に乗り、オンライン展示会から最新技術を用いたメタバース展示会まで様々な手法が台頭してきています。特に、メタバース展示会は、高いアクセシビリティ、革新的な体験、コスト削減、環境への配慮などのメリットがありますが、開発コストの高さや技術的制約に留意する必要があります。
メタバースは、現在はエンタメの1種として一般消費者向けのサービスとして展開されている場合が多く、ビジネスでの活用はまだ浸透していないように思えます。ただ、メタバース黎明期の今だからこそ展示会市場を作り替えることができる可能性もあります。